上流に大雨が降ったりすると川が増水してホタルの卵や幼虫が下流に流されてしまいます。茅や葦を景観が悪いと人が勝手に刈り取ると、ホタルやカワニナの避難場所がなくなるのです。
またホタルが交尾する場所にもなっているのです。人の目で見た美観は、決してホタルにとってはむしろ迷惑なのです。どうしても刈り取るというのならば、ホタルの飛翔が終わり産卵して最低、1ケ月は間を置いてからにしましょう。刈り取るときに、せっかく卵から孵化していく大事な時に人の足で踏みつけてしまう危険性があるからです。
また刈り取った茅や葦は、そのままその場所に置いておきましょう。それらは川の中で腐って、珪藻を育てる栄養になっていきます。他の場所にもっていき燃やしてしまえば、茅や葦に産み付けた卵もいっしょに燃やしてしまうことになりかねません。自然のサイクルは、うまく出来ているのです。
ヘイケボタルの餌となるヒメタニシは、比較的汚れた泥を好みます。水が濁っている池や川にはヒメタニシがいることが多いのです。
またゲンジボタルはカワニナを食べます。流れが比較的澄んでいるところにカワニナは住んでいます。たとえば落ち水のあるところは、酸素を吸収してカワニナには住みやすい環境になります。どちらのホタルも巻貝を溶かして吸うのです。
〈監修:山崎健一 県ホタルネット会長 文責:山岡憲樹〉