<概況>

今年の「ホタル前線」(ホタルの飛翔予測)は平年並みと予想される。 4月15日を中心に霜が降りる寒い日があり、ホタルには悪影響が懸念されたが、その後 暖かい日が続き天候が回復した。 また幼虫の上陸に必須な雨天が少なく、心配されたが4月18日にまとまった雨量があり、 水中で待機していた幼虫が一斉に上陸していることが、県内各地で観測されている。 幼虫は水流ののり面をゆっくり上陸して、川沿いの土中にもぐりさなぎとなり、およそ45~50日前後して飛翔する。 なぜ上陸には雨天が必須なのだろうか? その理由として
イ) 雨によって土が軟らかくなり、潜りやすくなる。
ロ) 雨滴が水面をたたく音に反応して、水中の幼虫は上陸のチャンスを知る。
と言われている。

上陸の観測をすれば、およその飛翔時期と飛翔数を予測することが出来る。 定期的に観測して、そのデータを集積すれば、より正確な予測が可能となる。 毎年、一定の時間(例えば20~22時とか)と一定の範囲を観測することが求められる。 県内各地の保護グループの有志が、より精度の高い予測が出来るよう粘り強く観測を続けている。 上陸観測数の7~10倍の飛翔が見込まれるといわれているが、これは観測時間外や範囲外にも上陸があるためである。